プレビューモード

フッサールとスピノザ(!)

『スピノザの方法』について既にいくつかの感想をいただいております。

 

うれしいと同時に緊張。

 

阪大の村上靖彦さんが大変興味深い指摘をお送りくださいました。

 

村上さんは現象学者で、俺の先輩。

 

とはいっても、ずっと留学されていたので、研究室でお会いしたのはたった一度。

 

でも、

 

この前、東大駒場で村上さんが連続講演会をなさった際にお目にかかったら、その一度のことを覚えていてくださった。

 

連続講演会の紹介はここ です。

 

 

 

 

村上さん曰く、

 

スピノザはフッサールとは関係ないと思っていたが

 

(俺もあんまり関係ないと思ってた…)

 

第一章(p.51)で描かれたスピノザの真理観は

 

フッサールに通ずるものである、と。

 

 

 

 

確かにフッサールはライプニッツについては詳細に論じていますね。

 

しかしスピノザについてはたぶん直接の言及は少ないと思います。

 

しかし、

 

論理の上で通ずるものである。

 

こういうところがおもしろいですよね。

 

しかも俺も驚き。

 

 

 

 

村上さんは

 

現象学研究がフッサールについての歴史研究になってしまっている

 

ということをいつも嘆いていらっしゃいます。

 

そういう研究は重要だが、それは現象学をやることではない、と。

 

 

 

村上さんは最初の勤務校で学生カウンセリングの仕事を任された際、

 

そこに現れる学生たちの姿に驚き、

 

精神医学や看護といった問題に関心をお持ちになります。

 

そこから現象学と精神医学の分野の関連について研究を進める。

 

 

 

俺の勤務校でもそうですが、

 

カウンセリングの一部を大学教員に任せるというのは

 

かなり無理があります。

 

アメリカの大学はそこらへんがしっかりしていると聞きますが、

 

日本はまだまだですね。

 

 

 

でも、そこから村上さんが現象学と精神医学の関連について研究を始める。

 

しかも、

 

ご友人の医者に紹介されて

 

自閉症のこどもの集まる場に顔を出すようになり、

 

更なる知見を手に入れる。

 

人間万事塞翁が馬としか言いようがないな。

 

その研究の成果は一冊の本にまとめられています。

 

 

自閉症の現象学/村上 靖彦
¥2,730Amazon.co.jp

 

 

 

 

この本は俺も学生によく勧めます。

 

学生はこの中で描かれている、自閉症者の生きる世界に驚きますね。

 

 

 

村上さんは現象学をまさしく実践されているわけで、

 

さすがと思います。

 

 

そしてうれしいことに

 

「自力でものを考えるというのが何をすることなのか」

 

この問いに俺がこの本の中で取り組んでいると仰ってくださいました。

 

 

とてもありがたく、またうれしいお言葉です。

 

 

でもやっぱり村上さんに精読されるのは緊張するなぁ。

 

村上さんは「たぶんこの本は全部読む」と仰ってくださっています。

 

村上さんのブログはここ 。