プレビューモード

権力のダイアグラムを理解したのは…

週間読書人の対談、手直しがほぼ終了。

掲載号が発売されたらまたここで紹介します。

対談では、俺なりに、ドゥルーズを経由して、フーコーの思想全体にアプローチするためのポイントをいろいろあげています。これから勉強したいと思っている人にもお勧めできます。

いま流行の「生権力」論はあまり感心しないという点では阿部君と見解一致。なぜか?については、ドゥルーズの言うダイアグラム的権力論との差異からこれを説明しています。

ここには書かないけれど、関心ある人は是非。

それにしても、「権力のダイアグラム」なんて、最近になってやっと、その意味するところがなんとなく分かってきたって感じ。

ちなみに、ほとんど毎日遅延する埼京線に乗っていたときにひらめきました。

さて、これまで「フーコーだ」、「ドゥルーズだ」って何十年も日本で騒いできたけれど、こういう基本的な概念については誰も教えてくれませんでした。

だから全部自分でやるしかありませんでした。

でも、それはこういう基本的な概念ですら、全然理解されていなかったということなんだろうと思う。

最近、フーコーを読むときには、萱野さんの「フーコーの方法」(『権力の読みかた』所収)という論文をお勧めしている。

これは、権力、言表、あの読みにくい『知の考古学』、さらにはドゥルーズの『フーコー』の問題点まできれいにまとめた論文です。

特に、二つの補論で提起される、ドゥルーズの権力理解の問題点は極めて重要な論点を孕んでいる。俺もものすごくあたまをひねって反論を考えた(本人にもいろいろ話したが)。最近、ぽつぽつとその反論を書いている。

権力の読みかた―状況と理論/萱野 稔人

¥1,890

Amazon.co.jp

しかし!

こんなことはもっと前に誰か他のひとがやっておいてくれよ……とも思うわけです。

萱野さんも同じ気持ちだろう。

なぜ、俺らがこんな基本的なところからやらねばならないのか、と。

なんというか、日本の現代思想業界は「分かる」ということについて分かっていない気がする。

俺は学生にいつも、「大学生になったら、「分かる」「分かった」とは、他の人にたいして説明できるということ、他で聞いた説明を十分に再生できるということだ」と言っている。

そういう姿勢で書かれた現代思想の解説書がどれほどあったのか?

もちろん、そういうものはあるのかもしれず、俺の勉強不足かもしれないが。

しかし、俺としてはずっと、誰かから教えて欲しいと思っていた。

なぜみんなもっといろいろ教えてくれないのかと思っていた。