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『スピノザの方法』についていろいろ&感謝

「スピノザの方法」(みすず書房)が発売されて、10日ほどたちました。

いろいろ感想をいただいております。

みなさん、ありがとうございます。


なんといっても、

ものすごくきちんと

緻密に読んでくださっている方ばかりで

本当に頭が下がります。


俺はこんなにきちんと本を読んでいるだろうか、と

そういう気持ちにすらなります。

本当にありがたいことです。



ツイッターではこんなことを書いてくれた方がいらっしゃいます。

「「規範は行為そのものである」「反省的意識」は「方法が実現された際の状態を指している」。こういうのを目から鱗が落ちるというのだろう。」

これを読んで「目から鱗」と書いてくださるというのは

相当に読み込んでくださった証拠です。

そうです、

確かに「目から鱗」のはずなんです!

俺も

自分でこのことが分かった瞬間、

目から鱗が落ちました。

これが分からなかったからどれほど苦労したか。

「スピノザの方法」は

いわゆる「方法」の概念を疑問視するものです。

そのことが分からなければ

『知性改善論』も、『エチカ』も分からない。

でも、

そのことを誰も教えてくれなかったわけで、

自分でそれが分かった時は

本当に感動ですよ。

なるほど、そういうことか!

と。

その感動を追体験してくださっているわけで、

こういう感想は本当にうれしいです。

ありがとうございます。




さて、

『スピノザの方法』の発売記念ということで

いくつかイベントや出版がございます。

自分でも整理しておかないと分からなくなってしまうので、

現状でそれを整理。

とりあえず、五つあります。



【1】
まず

『スピノザの方法』を出版していただいたみすず書房のサイトに

自著の紹介文を書きました。

みすずトピックス


紹介文は

パパパっと書いたのですが、

読み直してみるとなかなかいいかもです。
(前にこのブログでも書いたけど、自分で書いたものは自分で読み直していいと思えなければダメ。自分でいいと思えないものをいったい誰がいいと思ってくれるのか…。)

ご参照ください。




【2】

続いて、

紀伊国屋書店「じんぶんや 」のコーナーで俺が選んだ本のブックフェアが開催されます。



  スピノザに近づいてみる
  ——「倫理」と「思考」のための60冊+α——
  2/11(金)~3/13(日)
  紀伊國屋書店新宿本店5階売り場



この企画、

俺は相当力をいれました。

もちろん

いつでもなんでも力を入れてるんですけど、

なんというか、

選んだ本に紹介文をつけるんです。

その紹介文にものすごい力を入れました。

100字ぐらいって言われていたんですが、

大幅に超過して書きました。

全部につけなくてもいいって言われていたんですが、

全部につけました。

宣伝も兼ねて一つだけ紹介。


ホッブズ『リヴァイアサン』
「まさしく近代政治理論の起源にある本です。ホッブズのリアルなセンスは、今でも多くのことを教えてくれます。特に、自然状態が戦争状態になるのは人間が平等だから、機会が平等だからという論理展開は大変興味深いものです。最初から読み始めると冗長に感じるかもしれませんので、さしあたっては第一部第十四章の「自然法」の話から読み始めるのがよいでしょう。スピノザは自らの政治理論とホッブズのそれとの違いを説明して、ホッブズとは異なり自分は社会状態においても自然権が維持されると考えていると述べました。本当はホッブズの理論構成でも突き詰めていけばそうなるはずなのです。自然権とは誰かから与えられた許可や資格——通常の「権利」とはそういうもの——ではなく、ある人が何をしてもよいという事実そのもののことです。何をしてもよいという状態から、何をしてもよいわけではない、〝自制〟する状態への移行こそ、自然状態から社会状態への移行に他なりません。自制しているだけですから、本当は何でもできます。つまり社会状態においても自然権は維持されているのです。


なんていうか、

「この本は…について論じている。…を考える上で重要」

みたいな紹介文ってイヤなんですよ。

だって、選んでるんだから重要に決まっているし、

「…について論じている」っていうのは読まなくたって書けますからね。

俺は自分で読んだ本を自分の読みで紹介しています。

だから、選書は60冊+αあるんですが

紹介文を集めたパンフは

一種の哲学的断片集

みたいになってます。



あと、パンフおよびサイトに掲載されるエッセイも

結構力入れて書きましたので、よかったらお読みください。

「感動」について書いています。




今回もう一つ工夫したことがあって、それは

児童書と絵本を入れることです。

「スピノザに近づいてみる」

ための児童書・絵本です。

何が紹介されているのは是非、現地またはサイトでご確認ください。



哲学とかやってる人がもっと子どもの本に関心をもってもいいですよね。

俺はそもそも好きだし、

いまは娘に読み聞かせとかしながら、

「これスゲー!」

とかおもうことが多いので、

その感動を是非伝えたいと思っていたところに

いい機会をいただきました。

紀伊國屋書店「じんぶんや」さま、

本当にありがとうございます!




絵本と哲学というテーマでは

別の話もいただいていますので、

そちらは詳細が決定次第

ここで紹介いたします。



あと、もうひとつ別の書店様でも、

ブックフェアをやるのですが、

すみません、

選書が進まず、

まだ公表できる段階ではないので、

追ってこれもご紹介。



【3】
前にこのブログの別のエントリーでもご紹介させていただきましたが、

『スピノザの方法』について

萱野稔人さんと対談をしました。

本にもなっていない、

校正刷りで

しかも丹念に読んでくださった萱野さんに本当に改めて感謝。

さすがの読解というか、

本当にきちんと読んでくださいました。


その対談が今週の金曜日、2月4日発売の

『週刊読書人』に掲載されます。

週刊読書人
ツイッター




平行論について話をしています。

俺自身、

平行論にはものすごい関心がありながらも、

どこかこの学説に依拠することに自信がないというところもあったのですが、

萱野さんに励ましをいただいたというか、

「なるほど、やっぱり、平行論はすごいんだ!」

という気持ちになりました。

今後の俺の勉強のプログラムにも影響するお話になりました。

是非是非ご参照ください。

萱野さんはなんか最近は経済の話ばっかりしてますが、

やはり一流の哲学者なのだということを

皆さんにも再認識していただけるかと思います。

そういう対談にもなっています。




【4】
ジュンク堂書店新宿店で、

『スピノザの方法』を巡るトークショーをやります。

お相手は千葉雅也さんです。



  ジュンク堂書店新宿店 トークセッション
  國分功一郎『スピノザの方法』(みすず書房)刊行記念
  スピノザの哲学原理
  2011年2月19日(土)18:30開演(18:00開場)
  ◆要予約◆TEL03-5363-1300
  國分功一郎×千葉雅也
   「この華奢でひ弱な体が、この輝く黒い眼をした卵形の浅黒い顔が、
   どうしてこれほど大いなる生の活気に満ちた印象を与えるのだろう」
   (ドゥルーズ『スピノザ——実践の哲学』)。
   緻密かつ大胆にスピノザ哲学の原理へと迫る國分功一郎の『スピノザの方法』が
   描き出すのも、その「方法」の弱々しさと力強さに他ならない。
   思想の最前線で活躍する二人の集中討議。



千葉くんとは

ほんとにいろんな場所で話をさせてもらってますし、

普段もいろいろ話をしていますので、

かなりつっこんだ話ができるのではないかと大変期待しています。

千葉くんも非常に忌憚のない意見を述べる人ですので(!)

緊張もしています。

なお、

このイベントは要予約で、

席も50と少なめですのですので、

関心をもたれた方は早めにご予約ください。

予約はジュンク堂書店新宿店までお電話で。




【5】
だいぶ先になりますが、

『読書人』で話をした萱野さんと

朝日カルチャーセンターで対談をします。

こちらはたぶん、ひろくスピノザについての話ということになると思います。

ちょっと先です。6月18日(土)13時から。

これは細かいことが決まったらまたこちらで告知いたします。






最後になりますが、

『スピノザの方法』はずいぶんマニアックな話をしていると自分では思っていたのですが、

思いのほか読みやすいとの感想をいただいております。

とてもうれしいです。

みすずのトピックでも書きましたが、

確かに

「スピノザに関心はあるけれど…」という人のために書いた本です。

読むのに時間はかかるかもしれませんが、

前提知識などは特に必要ないはずです。

まぁもしそういうのがあったら、質問してください。

ここでもツイッターでも。

スピノザに、そして哲学に関心をお持ちのみなさん、

いや、

関心というとちょっと大袈裟ですね。

スピノザとか哲学に

なんか「近づいてみたい」

と思っていらっしゃる方、

よかったらこの本を手にとってみてください。

 

スピノザの方法/國分 功一郎

¥5,670

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